夜中は普通の生活音でも響くので注意が必要

ピアノの音、布団叩き、子どもの声や足音などの騒音問題は、昔から近隣トラブルの原因になってきましたが、未だなくなる気配がありません。根本的な解決法がないなら、せめて騒音問題に発展しないよう、住民同士がお互いに思いやり気をつけるべきでしょう。

隣の家の物音が聞こえてこないからうちの音も聞こえてないはず、と思い込むのは間違っているかもしれませんよ。

集合住宅で気をつけたいこんな音

普段、誰もが日常生活において発生させている「生活音」でも、度を超せば「騒音」になってしまいます。時間帯や、周辺の環境、その人の心理状態によって、それが不快な音として捉えられ、一度気になりだすととことん気になり、中には体調を崩してしまう人もいます。

お互いが気持ちよく生活するためには、どんなことに気をつけたらいいか考えてみましょう。

生活音

ドアや雨戸を開閉する音、掃除機や洗濯機の音、テレビや目覚まし時計の音、階段やフローリングの足音、笑い声や怒鳴り声などが生活音です。

早朝に雨戸を開ける際にも気遣いをする人としない人がいます。「ガラッ、ガラガラガラ、ピシャン!」と盛大に朝を告げてくれる人もいれば、早い時間から起きているのに、近所に気を遣ってシャッターを開けるのを7時以降にしている人もいます。

そういう人は窓を閉める際にも、ベランダに洗濯物を干した後も、ゆっくりと「スーーッ、トン」と閉めるなど、「気配り上手」な傾向があるようです。

そのような気遣いが普段から感じられれば、たまたま大きな物音を立ててしまってもそれほど気にならないのではないでしょうか。

フローリングでダイニングセットのイスを引く音も案外響くんです。立ち上がったり、座ったりする時に「ズズーーッ」と床の摩擦音が聞こえてきます。特にイスの脚にフローリングが傷付かないようにゴム素材のキャップをはめているイスは要注意です。

ただ、階下に響くこの音は自分では自覚しにくいため、騒音の元を作っている本人はよもやこんな音が周囲に響いているとは夢にも思っていないかもしれません。

性格が大雑把な人は気づかないかもしれませんが、掃除機をかける時、家具や壁に掃除機の吸い込みヘッドをガンガンぶつけて掃除をしていませんか?その音、響いてますよ。

子どもに関する音

フローリングの材質にもよるでしょうが、普通に歩いても階下に音が響くこともあるようです。ジャンプしたり走り回ることのないように、日中は外に連れ出して思い切り運動させてあげましょう。

やんちゃな子どものしつけを毎日お母さんは頑張っています。たまには大声で叱ることもあるでしょう。夏場で窓を開け放っている時に怒声がいつまでも続くと、騒音になる場合がありますので気をつけましょう。

宴会・パーティーの音

人づきあいがよく、家に友達を招いて遅くまでパーティーや宴会をするようなお宅は、話し声や笑い声が筒抜けの場合もあります。

お酒が入り気分もよくなると、ついつい普段より声が大きくなりがちで、暑くなったからと窓を開けたりしたら、バカ騒ぎしたりゲラゲラ笑っている声が近隣に響き渡ります。これでは聞かされてる方はたまったもんじゃありません。

安眠を妨害されるのは一番ストレスがたまることなので、怒りも相当大きいですよ。

趣味に関する音

音楽を自慢のオーディオ機器で思う存分楽しみたい人もいるでしょう。また、休日に思いっきり楽器の練習をしたい人もいるでしょう。

でも、カーステレオから大音量で音楽を流している車は、通り過ぎても「ボン、ボン」と重低音が響いてきて、ちょっとの間聴こえてくるだけでも迷惑に感じますよね。これがせっかくの休みの日に隣近所からずっと聴こえていたとしたらストレスになりますよ。

赤ちゃんが寝ているうちに手早く家事をしなければならない主婦は、赤ちゃんがやっと寝てくれたと思った矢先に、近所の騒音で起こされては、たまったものではありません。人里離れた山奥でもない限り、日中といえども、大きな音は極力漏らさないことがマナーです。

運動不足解消のためのルームランナーも、騒音や振動が問題になりがちです。DIYが趣味で、家具を作りたい人も、クギ打ちやノコギリの音が騒音となることもあります。

ペットの鳴き声

たとえペット飼育可能の物件でも、ペットの鳴き声が他人に迷惑になることには変わりありません。家人が出かけた後、留守の間ずっと吠え続けるなんていうのはマナー違反もいいところです。

無駄吠えしないようにきちんとしつけましょう。また、室内でドタバタと暴れないように散歩時には充分に運動をさせてあげてください。

夜間はこんな音まで聞こえてしまう!?

繁華街にあるマンションで、一晩中周辺が騒がしく、住人も深夜帰宅が多いというのであれば、夜間の生活音はお互い様で許されるかもしれませんが、閑静な住宅街ではそうもいきません。

夜間はほんの少しの音でも響き、気になりますから日中以上に気をつける必要があります。静かな時の洗濯機の運転音というのは、かなり階下や隣室に音が伝わります。規則正しいモーターの回転音と、水道の流水音や排水音、そして脱水時の高速回転の振動音も聞こえてきます。

さらに、窓を開けてベランダで洗濯物を「パン、パン!」とシワを伸ばして干した後、「ピシャン!」と音を立てて窓を閉められたのではたまったものではありません。自室がシーンと静かだと、他の部屋の些細な音も聞こえると思った方がいいかもしれません。

音を立てないアイデア

フローリングをスリッパで歩く時のパタパタという音が気になることもあるようですが、やわらかく足にフィットしたルームシューズに変えることで解消できます。子どもの足音対策には、物の道理がわかり聞き分けができる年齢に達するまでは、防音カーペットを使うことをおすすめします。

また、洗濯機の足元に防音防振ゴムマットを置いたり、メゾネットタイプで階段があるなら防音カーペットやスベリ止めシートなどを敷くことで音が軽減できます。

窓を防音性のある二重サッシにできればいいのですが、賃貸ではそこまでお金はかけられません。そんな時には、防音カーテンを吊るすだけでも、かなりの効果があります。外の騒音も気にならなくなりますよ。

隣室への音漏れが気になる場合、模様替えをして、隣と接する壁に壁面収納家具を設置したり、テレビを置く場所や角度を変えるだけでも、伝わる音の軽減になります。大音量の目覚まし時計も窓や隣室から離した場所に置くようにしましょう。

ご近所さんとの関係をよくしよう

部屋選びの内見の時から、ご近所さんの目が光っていると思いましょう。住んでいる人と顔を合わせたら、そこに住むことが決定していなくても軽い会釈ぐらいはしましょう。「今度引っ越してくる人は、挨拶の一つもしない」と引っ越し前に変な悪い噂でも立っていたら今後が思いやられます。

マンションなら入居時の挨拶は必須ですよ。管理人さんと、両隣と上下の階には挨拶品持参で訪ねましょう。初対面でいきなり突っ込んだ質問は避けた方がいいですが、せめて家族構成ぐらいは知っておいた方が、大体の生活時間帯を知ることができます。

高齢者なら朝早く、夜寝る時間も早いでしょうし、子どもがいる世帯なら規則正しい生活ということがうかがい知れます。そして、「騒がしいようでしたら、おっしゃってください」と一言添えておけばいいでしょう。

まとめ

不動産屋さんの立ち合いの内見の時にでも、隣接した部屋の音がどう聞こえてくるか、また、こちらの音はどう伝わりそうか、試せるようなら実験してみましょう。

ドアは静かに閉まるか、窓はスムーズで静かに開け閉めできそうか、雨戸があれば、静かに戸袋に収められるか、フローリングの響き具合はどうか、そして過去に騒音トラブルがあったかどうかも教えてもらいましょう。

また、こちらの「引っ越し先の地域選びについて」の記事の内容も参考にしてみてください。

実際に引っ越す場所ば決まり入居することになった時には、騒音になり得る物音に気をつけることももちろんですが、ご近所さんとの関係も良好に保つように努力しましょう。