女性の一人暮らしで危険に遭わないために

女性が被害に遭う事件のニュースを聞くたびに、これから一人暮らしをしようと考えている女性は不安を感じることでしょう。

大切に育てた娘さんを自立させる親御さんの心情も、気が気ではないことと思います。女性の一人暮らしにおいて、どのようなことに気をつけるべきか対策を考えましょう。

部屋選びが明暗を分ける!?

まずは、防犯対策がしっかりとした部屋選びをすることが一番大切です。建物の設備だけでなく、周辺の環境も大事ですよ。ポイントごとに見ていきましょう。

セキュリティ強化は基本

最近は女性を狙った犯罪が相次いで起こるため、様々な防犯対策を施した、女性専用の賃貸マンションというものが登場しています。こういったマンションでは不審者の侵入を事前に防ぐためのオートロック機能は当然で、中には管理人24時間常駐というマンションもあります。

他にもロビーや非常階段、エレベーターや集合ポストに防犯カメラが設置してあるところや、玄関ドアの二重施錠、防犯用強化窓ガラスと補助錠など、設備面を重視しています。

また、警備会社と契約しているマンションは、ロビーやエレベーターなどの共用部分が監視システムにより守られています。

周辺の環境は夜にチェック

日中と夜とでは、全く雰囲気が変わってしまう街があります。たとえば、スーパーやデパートがある繁華街の近くでは日中の人通りが多く、子どもからお年寄りまで賑やかで活気のある街と好感を持つ人が多いでしょう。

しかし、駅から離れた閑静な住宅街は閉店時間が早い店舗も多く、夜になると昼間とは一転して静かで人通りのない街になってしまう場所もあります。

逆に歓楽街の近くは、日中はとても静かで落ち着いた雰囲気なのに、夕方から徐々に人出が多くなり、夜間は若者がたむろして大騒ぎしたり、従業員の呼び込みの声が聞こえたり、パトカーや救急車が頻繁に行き交うような環境かもしれません。

そんな場所では酔っぱらいに絡まれたり喧嘩や犯罪に巻き込まれないとも限りませんね。慎重を期すため、物件を選ぶ際は、日中と夜、特に休前日の夜間の環境を下調べしてからのほうが後悔しないでしょう。

住んでいる女性たちの様子は?

女性専用のマンションなら住人はみな女性なので安心と思いがちですが、実際はそうともいえません。一人暮らしの気軽さのためか、夜遊びをして終電を逃した友人が泊りにきたりして溜まり場化し、人の出入りの多い部屋もあります。

そんな時に住人にオートロックを解錠してもらった友達と一緒に不審者が入ってくることも。こういった住人の様子は、住んでみてからでないと気がつかないことがほとんどです。

女性専用のオートロックのマンションだからといって過信は禁物です。二重施錠などで必ず戸締りするように気をつけましょう。

一人暮らしと悟られない工夫

ストーカー被害や不審者の侵入、盗撮や空き巣被害などを防ぐために、アパートでもマンションでも、女性の一人暮らしと知られないように自分で対策することは大切です。父親や兄弟、友人知人に協力してもらって、部屋作りを工夫してみましょう。

屈強な男性との同居を匂わす

一人暮らしじゃなければ、あとをつけて玄関を開けた瞬間に押し入ろうとは思いませんよね。とにかく、誰かと一緒に暮らしているように見せるだけで、かなりの抑止効果があることは確かです。

まさか玄関や郵便ポストの表札に、女性一人のフルネームを堂々と出していませんよね。女性の一人暮らしではそれは危険過ぎるので、名字だけにするか、郵便配達員が分かりやすいように住所の番地だけの表示にしましょう。

それだと、逆に女性一人であることが分かってしまうのでは、と心配な人は、「武蔵」でも「剛太」でも「猛雄」でも、適当に強そうな男の人の名前を、名字の後に付け足しておきましょう。

部屋の偽装工作あれこれ

宅配ロッカーのない住居の宅配便や、書留などの郵便配達時には、玄関ドアを開けて荷物や手紙の受け取りをしなければなりません。表通りから室内が見えるような造りになっていると、通りかかった人からも覗き見られてしまいます。

まずは、玄関ドアを開けてすぐ見える場所に男物の大きい靴を置いたり、男物の大きい黒い傘を置いたりして、男性と一緒に住んでいると匂わす工夫をしましょう。

知らない来訪者には、簡単にドアを開けてはいけません。宅急便の荷物が届いても、ドアチェーンを掛けたままで、「送り主は誰になっていますか?」などと聞いてから。

また、大手通販サイトなどの名前を出されても、自分が注文した覚えがない時は、「品物は何と書いてありますか?」と確認してから、心当たりがあれば開けるようにしましょう。

外から見えるカーテンは、あまり乙女仕様の可愛らしいものでは、女性の一人暮らしであることが明白なので、無難な落ち着いたものの方がカモフラージュにはいいです。

日々の行動に気をつけよう

通勤や通学の時の徒歩ルートも事前に下見をすることが重要です。帰宅時間が遅くなったら、できれば多少遠回りになったとしても、明るい大通りを選んで帰るようにしましょう。

途中に、死角になるような暗い道を歩くことがないか、いざという時に助けを求められるコンビニや、遅い時間まで営業しているお店はどこにあるか、比較的夜まで人通りが多い道はどこかなど確認しておきましょう。

後をつけられないように

人通りのない道でずっと後ろを歩かれると気になるものですよね。たまにペースを変えてみたり、コーナーを曲がったところでダッシュしてみたりして様子をうかがう人もいますが、振り返って確認するのも怖いという女性もいます。

人通りのない道を通らなければならない場合、夜間に外にいる時間をできるだけ短くするため、徒歩よりも自転車の方がまだ少しは安全かもしれません。

スマホで防犯ブザーアプリ

夜道で危険な目に遭った時は「助けてー!」よりも、「火事だー!」の方が効果的なのは知っていますか?「助けてー」だと面倒なことに関わりたくない人もいますが、「火事だー」と聞けば、場所はどこか、自分の家は延焼しないか、確認するために必ず外に出て様子を見に来るからです。

でも、そうはいっても、自分の身に危険が迫って震えている女性で、冷静に咄嗟に「火事だー!」と大声で叫べる人はいったいどのくらいいるでしょう。

そんな時に、心強い味方になるのが「スマホの無料防犯アプリ」。懐中電灯のように発光したり、防犯ブザーが大音量で鳴り響いたりと、無料で使えるアプリが色々あるんです。

いざという時のために、ダウンロードして使いやすい場所に入れておきましょう。もちろん、使い方をよく把握して、咄嗟の時に使えるようにしておくことは必須ですよ。

子どもが持つような引っ張るタイプの防犯ブザーは一番簡単で確実です。今はアクセサリーチャームのようなおしゃれなタイプもあるので、お守り代わりにバッグに付けておいても良いですね。

まとめ

まず、自分の身は自分で守ることが大切です。隙を見せないように、できる予防策はしておきましょう。後ろに迫りくる足音が聞こえるように、少しの異変にもすぐ気が付けるように、イヤフォンで音楽を聴きながら歩かない、歩きスマホをしない、など隙を見せないようにすることは基本です。

玄関についたら、すぐ鍵でドアを開けて、入ってからすぐに鍵をかけましょう。バッグの中がごちゃごちゃで、鍵を取り出すのに手間取るのはNG。すぐ取り出せるようにしておいてください。

さらに万全にしたいなら、暗くなってから自動で点灯するライトをセットしておくか、スマホ連動の照明を早めに点けておいて、「ただいまー」と入ればカモフラージュできますね。