引っ越し先で評判の良い名医を探すには

世間で評判が良く、遠くから集まる患者さんで常に待合室がごった返しているというお医者さんもいるかもしれませんが、深刻な病状でなければ、通いやすく相談しやすい近所のお医者さんで十分だといえます。

不慣れな新天地でも、長く付き合うことのできる自分にとっての名医を見つけるには、どうすればよいでしょうか?

お医者さんを調べる3つのコツ

環境の変化で子供が急に熱を出したり、引っ越しの片付けで重いものを持ち上げ腰を痛めたりと、引っ越したばかりで右も左もわからない土地で、お医者さんに見てもらおうと思ったときは困ってしまいます。

普段はパソコンやスマホを使いこなしていても、実際に病院を探したことのない人は効果的な探し方が分からないかもしれません。まずは、探し方から見てみましょう。

コツ1. 市区町村のサイト

小さい個人病院から大きな総合病院まで市区町村にどんな病院があるのかを確かめたいなら、まずは市区町村の公式サイトでしょう。暮らしの情報として、市区町村内にある医療機関を紹介しています。これは健康診断や予防接種を受けられる医療機関として案内していることが多いからです。

健康診断でどこまでの検査を扱っているかが載っているものは、おおよその病院の規模を知る手がかりにもなります。これから、赤ちゃんを産む予定がある人は、近くの産婦人科の様子も気になりますね。

コツ2. お医者さん情報サイトで調べる

お医者さん情報サイトでは、診療科目で選んだり、市区町村で選んだりと、目的の病院を探しやすくする工夫がされています。それぞれのお医者さんのホームページに飛ばなくても、診療日と時間などが一覧でき、視覚的にもわかりやすく紹介されています。

口コミも紹介されていますが、設備が整っていて待合室が広く、清潔で駐車場も十分などの情報はありがたいですが、主観的すぎる内容は鵜呑みにする必要はありません。

病院検索ホスピタ

http://www.hospita.jp/
候補の病院がマップで表示され位置関係が分かりやすく、フリーワード検索もできるのでうろ覚えの病院名と地名で検索もでき情報量が豊富です。お医者さんの出身医学部別に検索ができるなど、趣向を凝らしています。

医療総合サイトQLife

https://www.qlife.jp/
病院検索だけでなく医療全般に関する総合情報サイトです。患者さんだけでなく医療従事者の口コミも掲載されているのが特徴的で、広告が少なくレイアウトがスッキリしています。

病院なび

https://byoinnavi.jp/
一見するとトップの検索画面が使いづらいかと思いきや、実は検索方法が多岐にわたっていて、ネットや電話予約可能な病院だけを絞り込んだり、専門医で検索したり、診察可能な難病で検索することもできます。

データは基本情報の他に、院長先生や病院の建物の写真も掲載されているので、受診前にイメージが掴めやすいと思います。

コツ3. 近所で情報を仕入れよう

病院がある程度絞り込めたら、世話好きの近所の人に評判の良いお医者さんを聞いてみましょう。お子さんが幼稚園や保育園に通うなら、地元に住んでいる先生や担任の保育士さんに聞いてみるといいでしょう。

子供たちのお母さんとの会話などから色々な情報を得ることも多いです。送迎の時に出会うお母さんたちにも積極的に話を聞いてみましょう。看護師をやっているお母さんなら、診療科目別に評判の良いお医者さんを知っているかもしれません。

接骨院や歯医者の評判を聞きたいなら、チェーン店ではなく地元で長くやっているような個人の美容院に行ってリサーチするといいですよ。

年齢層が高めなお客さんが集まるので、膝が痛い時はどこの接骨院が良かったとか、入れ歯はどこで作って失敗したとか、その手の情報の宝庫です。そういうところの美容師さんはあらゆる地元の情報に精通していますよ。

「頼りになるかかりつけ医か」を判断する3つの視点

いろいろな人にどこのお医者さんの評判が良いかを聞いて回っていると、共通して挙がるお医者さんもあれば、口々に違うお医者さんが挙がることもあります。

自分にとっての良いお医者さんというのは人それぞれ違うからです。自分が「お医者さんに求めているものは何か」が分かっていれば、どこをかかりつけ医にしたらいいかの答えが見えてくると思います。

1. 専門外の症状は、適切な医者を紹介してくれるか?

診療科目がいくつか併設されている個人の医院で、1人の先生がすべての診療科目を見ている場合があります。そこは、様々な年齢層の人たちがいろいろな症状で訪れている医院ですので、一手に引き受けるお医者さんは、経験に培われた幅広い知識を持っていることでしょう。

ただ、自分の得意とする科目がもちろんあるわけで、それと他を比べた場合に、どうしても知識に偏りがあるのは仕方がないことでしょう。

なかなか病気が治らない時は、では次はこの薬を試してみましょう、と何度も繰り返すよりは、自分の専門外でわからない、手に負えないと思った時に、すぐに専門医に紹介状を書いてくれるお医者さんの方が信頼できます。

2. 話をじっくり聞いてくれるか?

大学病院や、夜間の急患を受け入れている大きめの病院の先生は、何時間も待っている多数の患者さんを効率よく診療していくために、必要最低限の会話しかしないことが多いです。

自分の症状を分かってほしくて、身振り手振りで一生懸命説明をしても「それでは薬を出しておきましょう」で帰されることもあります。あっという間に患者さんを診断してすごいと思う反面、「本当に分かってくれたのかなぁ」と、意思疎通ができず不安に感じる人もいるでしょう。

うまく症状が伝えられない人は、お医者さんとの会話のキャッチボールから症状を判断してもらうことが多いでしょう。待ち時間が長くなっても、そっちの診療スタイルの方がいいという人もいます。

3. 院内のスタッフや設備は大丈夫か

看護師さんは率先して診療の補助を行っていますか?待合室での患者さんとのやり取りはどうでしょう。受付窓口の対応は、感じが良いですか?どんな年齢層の患者さんにも分け隔てなく丁寧に接していますか?

患者さんにはやさしく接しても、出入りの業者にはぞんざいな態度をとる人もいます。そんなときに威圧感を感じてしまうと、なんとなく足が遠のいてしまいます。

院内は清潔で掃除が行き届いていますか?感染症に対する配慮はされていて別室の待合室がありますか?色々な診療科目が併設されている個人医院だと、それこそ赤ちゃんからお年寄りまで、様々な症状で通院しているわけですから、そのような配慮があって然るべきです。

おまけ:「空いている医者はやぶ医者」は本当?

評判の良い病院に行ってみたら、待合室にほんの数人がいるだけでがらんとしていて、本当にここで間違いないのか疑ってしまうようなことがあります。

実は医院によっては、ネット予約制を採用しており、インターネットや電話の自動ガイダンスで順番を予約し、おおまかな診療時間が分かるようになっています。

その時間にあわせて到着すればよいので、子どもが待合室で騒いだりすることもなく、また感染症の疑いのあるときでも自分の車の中で横になって休むこともできます。元気なら近所のカフェで時間を潰すことだってできます。

このような工夫のもとで空いている場合は、患者のことをしっかり考えてくれる良い医者と言えそうです。

まとめ

結局のところ、相性の良い悪いは自分にしか分かりません。実際に自分で回って目と耳で確かめて、好感を持てたお医者さんでいいのではないでしょうか。いくら足を延ばして評判の名医を訪ねたとしても、好感を持てなければ、通院するのもストレスになってしまいます。

「遠くの名医より近くの町医者」という言葉があるように、いざという時にすぐ駆けつけて、家族の色々な症状に対応してもらえるお医者さんこそ、長く付き合える「かかりつけ医」に最適だと思います。

診療が終わった後に、この病院に来てよかった、診てもらってよかった、と思えるようなお医者さんに出会えればいいですね。