季節の変わり目で風邪をひきやすい、あまり胃腸が丈夫でない、雨の前にはひざが痛くなるなど、病院に行くほどではないけれど、何となく調子が悪くて市販の薬に頼る人も多いのではないでしょうか。
みなさんが自宅に常備している薬はどんなものですか?いざという時のために、どんな薬を準備しておけばよいのでしょうか。引っ越して病院やドラッグストアが遠くなってしまった、これから一人暮らしを始める、という人は必見です。
常備しておきたい基本の薬
昔とは違って、今では多種類の薬の在庫を置くドラッグストアが増え、中には24時間営業、年中無休の店舗もあるほどです。救急病院や休日夜間診療所などの設備も充実し、夜中の急病にも慌てることがなくなりました。
それでも、一人暮らしではいざという時に不安だし、夜中に一人で出かけるのもためらわれます。やはり、最低限でも必要な常備薬を一式そろえておくと、安心感が違いますよ。
救急箱にあると安心の医薬品
いざという時のためにバッグに入れて持ち歩いたり、家の中に常備してある薬はどんなものが多いのでしょうか。どんな時に、どんな薬が必要なのか、基本の家庭用常備薬を紹介します。
解熱鎮痛剤
これは、ぜひともそろえておくことをおすすめします。低気圧が近付くと頭痛がする人、虫歯の激痛で歯医者が開くまで我慢できない人などの、あらゆる痛みを緩和する薬です。
その他に高熱が出てつらい時に、一時的に熱を下げる効果もあります。捻挫や関節痛、神経痛や肩こりにも効くので、何かにつけ応用範囲の広い薬として重宝されています。運転や機械作業をする人は、眠くならないタイプのものを選ぶようにしましょう。
- 頭痛
- 腰痛
- 生理痛
- 解熱など
胃腸薬
お腹が空きすぎて胃が痛くなる人はいませんか?ムカムカしたり、胸の奥が焼けるような感じがしたり、胃からくる痛みや不快な症状は、胃腸薬の出番です。胃の痛みは鎮痛薬ではなく、胃腸薬ですよ。
胃腸薬の種類により、食前・食間・食後の服用のタイミングが異なるものがあるので、必ず説明書を見る習慣をつけましょう。
- 胃痛
- 胃もたれ
- 胸やけ
- 腹部膨満感など
下痢止め
急にくるお腹の痛み、出先では本当に困りますよね。お腹が冷えたり、緊張からきたり、暴飲暴食の消化不良だったり、下痢の原因は様々あります。
普段からお腹が弱いと思うなら、家庭で常備するのはもちろん、外出でも携帯しておきたいですね。その時には、水なしで効くタイプのものが便利です。
ただし、ウイルスや細菌による感染性の下痢の場合は、それらの異物を体外に排出する必要があるので、むやみに止めてはいけません。周囲でノロウイルスが流行っている、食中毒かもしれないといった時には、速やかに受診しましょう。
- 下痢
- 軟便
- 食あたり
- 消化不良による下痢など
総合感冒薬
「あなたの風邪はどこから?」という風邪薬のCMがありますが、これは、毎回同じように、鼻から、のどから、熱からなどと症状が一定している人にはピンポイントで効くので有効です。
家族で暮らしていると、皆が皆、同じような症状ではないことも多いので、備えておくとしたら、何にでも効くタイプのものがよいでしょう。ただし、症状は緩和されても根本的に治療するための薬ではありません。安静と睡眠が何よりの薬です。
- 鼻水
- のどの痛み
- 発熱
- せきなど
湿布薬
足首をひねって痛い、打撲したところが腫れた、ギックリ腰になった、という急な痛みには冷湿布を使います。これも、何かのはずみで急に発生することなので、家庭に常備しておくと、誰でも簡単に使用できるので便利です。
薬効成分が肌に密着して浸透し、炎症を抑え、痛みの緩和に効果的です。急激な痛みが去り、慢性的な痛みが続くなら温湿布ですが、なかなか痛みがよくならない時は、迷わず受診しましょう。
- 打ち身
- 捻挫
- 打撲
- 関節痛など
軟膏
虫さされやあせものかゆみで、皮膚を掻きむしってしまうと、とびひになってあっという間に周囲に広がってしまいます。
寝ている時に無意識に掻いてしまっていることもあるので、まずかゆみを抑えるためにも軟膏を使いましょう。常備するなら、皮膚の炎症全般に効く応用範囲の広いものを選ぶとよいでしょう。
- 湿疹
- かぶれ
- じんましん
- あせも
- 虫さされなど
絆創膏
傷口の保護や、細菌の感染などを防ぐ目的で貼るもので、大小、形も様々なタイプがあります。小さい傷に対してあまり大きすぎるものを貼るのもコストがかかり無駄になるので、大中小の3種類が入っているものが便利です。
今では、傷の治癒力を高める効果のあるものや、水仕事にもはがれにくいタイプなど色々とあります。気に入ったものや使えそうなものをそろえておくのもいいですね。靴擦れにも使えるので、外出の際も携帯している人が多いのではないでしょうか。
- すり傷、切り傷の保護
- 靴擦れ
- 傷口の消毒など
そろえておきたい衛生用品
飲み薬や貼り薬の他にも、そろえておきたいものがあります。いつ何どき自然災害が起きてケガをしないとも限りません。また、自分の平熱を知る意味でも体温計は常備しましょう。はさみは衛生的な専用のものを保管しておきましょう。
- 体温計
- 包帯
- ピンセット
- 脱脂綿
- 三角巾
- 綿棒
- はさみ
個人の体質に合わせて、あると安心
花粉症やアレルギー性鼻炎などの持病がある人にとって、ところ構わず出るくしゃみや鼻水などは本当に厄介です。大事な日や集中したい日、症状が重い日は鼻炎薬がかかせませんね。
喘息ではなくても気管支の弱い人は、夜中に咳き込んで眠れないのもつらいし、家族も心配で眠れないものです。念のため、せき止めは用意しておきたいですね。
小さい子どもがいる家庭の必需品
車や電車で出かけなければいけなくなった時、乗り物酔いしやすい体質のお子さんには酔い止めがかかせません。気持ち悪い時間が続けば、お出かけも嫌いになってしまいます。年齢に合わせて、シロップや口の中で溶かすタイプなど服用しやすいものがおすすめです。
子どもは熱を出すと、急激にグーンと体温が上がることもあります。ひどい時には熱性けいれんを起こすこともあり、心配で目が離せません。薬を飲み込むことができない乳幼児には座薬が有効です。
病院で薬を処方してもらう時に、子どもの体重を聞かれることがありますが、体重が大人の半分だからと大人用の薬を半分に割って子どもに飲ませるのはやめてください。
子どもの薬は大人と同じ成分が使えないものもあります。大人には無害の成分でも、子ども全員がそうであるとは限りません。また、アレルギーの心配がある時は、必ず薬剤師や医師に相談しましょう。
また、子どもの場合、容体があっという間に急変することもあります。いつもと様子が違う、明らかにおかしい、という場合は、夜中でも救急病院にかかりましょう。
夜間や深夜に救急車を呼ぶべきか判断に迷うなら、
「小児救急でんわ相談」 【#8000 】
に電話をしてアドバイスを聞きましょう。ダイヤルをプッシュすると、現在地最寄りの相談窓口に自動転送され、小児科医師、看護師から直接適切な対処のアドバイスが受けられます。相談は無料ですが、通話料がかかります。
子どものいる家庭では、いざという時のためにぜひ覚えておきましょう。
まとめ
常備薬は、家族構成や体質に合わせて必要なものをそろえるようにしましょう。緊急を要しない症状なら、ドラッグストアが開いている時間に薬剤師に相談して購入するのがおすすめです。あまりたくさん買い込んで、気がついたら使用期限が切れていたということのないように注意しましょう。
また、以前病院でもらった飲み残しの薬を置き薬代わりにしてあの時と同じ症状だからといって服用したり、家族や知り合いにあげることは危険ですので、絶対にやめましょう。
市販薬より強い成分のものを一気に服用したり、組み合わせて飲むとまずいものがあったりすると、重篤な副作用を起こす可能性があります。
抗生剤など飲み切るものは飲み切る、症状が軽くなって必要なくなった残薬はキッパリと捨てるなどして、乳幼児が誤って口にすることのないように、大人も飲み残しを使用しないように気をつけましょう。