良い業者と悪い引っ越し業者の見分け方

引っ越し料金は、なにか形あるものを買うのではなく、形のないサービスに対して支払う対価です。規模により数万円〜数十万円にもなるこの料金は、交渉によって最初に提示された価格から、不思議なことにあっという間に値下がりします。

定価があってないようなものですから、隙あらば一儲けしてやろうという考えの業者も中にはいるようです。悪徳業者に騙されず、良い業者を見分けるにはどうしたらいいのか、引っ越し初心者の人にも判断しやすい部分から探ってみましょう。

見分け方1:ホームページにちゃんと認可番号があるか

国土交通省に一般貨物自動車運送事業の届け出をして正式に許可を受けた業者は、許可番号を取得しています。業者のホームページや、見積書に記載されているはずです。

また、トラックのナンバープレートの背景の色が緑で文字が白色のものと、軽貨物では背景の色が黒で文字が黄色のものが、正式に届け出をして営業に使うのを許可された車両です。

トラックの車体に会社名もなく、ナンバーの色が普通乗用車と変わらないものであれば、違法に営業している可能性が大です。

ただし、3月15日から4月15日までの間の14日間以内に限り、特例としてトラックをレンタルして使用してもよいことが認められています。その時は白の「わ」ナンバーになります。

ホームページを見ることの重要性はそれだけではありません。飲食店が並ぶ激戦地で、窓がなく中の様子が見えず、メニューも分からないお店に一人で入る勇気がありますか?

それと似たようなことですが、ネットで調べればいろいろな情報が一瞬にして手に入る時代に、自社サイトを開設していない引っ越し業者にあえて頼もうと思う人はどれくらいいるでしょうか。

業者のセールスポイントが何も分からないのでは運を天にまかせるようなものです。そんな無謀な賭けに出ても何の得にもなりません。

もちろんすべての正規の業者、優良業者がホームページを持っているわけではないでしょうが、安心のためにホームページをチェックすることくらいはしておきたいものです。

ただし、ホームページを持っていても、会社の住所や社長名などの掲載がなく、設立や創業の時期が不明で、電話番号が携帯番号しかない場合は大いに用心すべきです。そういった業者は、会社名をコロコロ変えて、違法に営業している可能性があります。

見分け方2:電話の対応はどうか

電話をすると最初に出た人の声のトーンや対応で、その業者に対する全体のイメージが左右されることがあります。窓口である受付の対応は企業イメージを決定づけると言っても過言ではありません。

そのため、会社では面接の上採用し、きちんとした社員教育を行い、社員を育てようとするはずです。つまりは、お客様の満足度を上げる、地域ナンバーワンを目指す、などの理念に向かって企業努力をする会社は、電話対応もしっかりしたものになるでしょう。

中小規模の業者では、社員教育や社内マニュアルが整備されていない場合もありますが、それでも最初に電話に出た人の様子や言葉遣い、聞こえてくる周りの声などで、誠実そうかどうか何となく分かるのではないでしょうか。

見分け方3:見積もり担当者の対応はどうか

訪問見積もりの日時を確定したい時、折り返し見積もり担当者から連絡が来ることになっているのに、何時間も待たされた挙句、お詫びの一言も無しでは良い気はしませんよね。

繁忙期でもない時に連絡が取りづらいということは、この先も何かと待たされることが多くなるかもしれません。相見積もりでそれぞれの業者と交渉を進めて決めたいのに、なかなか返事をくれないようでは候補から外すこともやむを得ません。

それと、滅多にないことですが、訪問見積もりに来て、玄関先で会社名だけ言って、名刺も出さず自分の名前も名乗らずに、家主の「どうぞ」の声を聞く前に、靴を脱いで上がる人がいます。悪気はないのでしょうが、一人の時は警戒してしまいます。

多分、現場の作業と見積もりを兼務しているのでしょう。名刺を持ち歩く習慣がないのか、うっかり出すのを忘れたのか、そもそも最初から無いのか分かりませんが、最後に見積書に記載した担当者名を見て、「ああ、こういう苗字だったんだ」と思うことがあります。

見分け方4:自社のPRをちゃんとしているか

自社の特長のPRはありましたか?他社との差別化を図るために、売りにしていることをちゃんと言っていましたか?

豊富なオプションサービス、リピーターが多い、シンプルなサービスでとにかく安く、重量物を得意とする、地域密着で50年続いている、などPRポイントは、その会社が目指すもの、そしてそれに向けて努力している自信の表れです。

「そちらの会社の売りはなんですか?」と尋ねた時に「うーん。何だろう」と考え込まれると心配になりますね。

見分け方5:サービス内容の説明は明瞭か

サービス内容で、有料・無料がハッキリしていない時は、必ず確かめてください。ダンボールも大中小の全種類が何枚でも全て無料サービスに含まれるのか、最大50枚まで無料とするのか、追加分は購入になるのか、リサイクルダンボールを回してくれるのか、ハンガーボックスなど特殊なものは有料か、分からないことは見積もり時に聞いておかないと後悔しますよ。

あやふやなままでは「言った、言わない」のトラブルになりがちだからです。疑問点に対して明確に答えてくれなかったり、はぐらかそうとしたり、面倒臭がる業者は要注意です。

また、引っ越し当日はどんなスタッフ構成で来るのか聞いてみましょう。ベテランと中堅と若手新人とバイトなど、すぐに答えが出てくるようなら良いのですが、「当日にならないと分からない」と言われてしまっては、不安になりますよね。ドライバー以外全員バイトということがないように祈るしかありません。

終盤で雑談程度に、社員の年齢層や定着率はどのくらいか尋ねてみてください。「一番古いベテランは30年になりますが、今は幹部で現場には出ていません」、「私は大卒で入社して8年目になります」など聞ければ、定年まで在籍したいと思える良い会社かどうかの目安になります。

そこを「作業員のことはよく分かりません」、「長い人で3年くらいですかね」なんて言われたら用心した方が良いかもしれません。まして、最近できた会社で、前までは別の場所で違う社名でやってた、なんてことが分かったら、気をつけるに越したことはありません。

見分け方6:見積書に明細があるか、金額は適正か

金額が高過ぎたり安過ぎたり、何かにつけ、料金を請求してくるようなところ、たとえば、見積書作成料は無料だが出張料がいる、トラックを確保するのに予約金がいる、契約時に内金を要求する、なんてところは要注意ですよ。

総額から値引きするんだから明細は意味がないんですよ、なんて細かい金額を記してくれないところも怪しいです。

見積書の決まった用紙がなく、口頭で「10万円」というような業者はまずないと思いますが、単身パックの積み切りプランとかコース料金が設定してあるものでも、お互いの思い違いで実は別のコースだったということがないように、念のためパックやプランの名称を記載した見積書を出してもらいましょう。

エアコンの移設や車の陸送などのオプション欄は?

エアコンの移設や車の陸送など、きちんとオプション欄の金額が記載されていますか?それらの費用は、下請け業者に外注の場合が多く、引っ越し費用の総額に含まれているのか、別途支払う必要があるものか、きちんと確認しましょう。

トラックのサイズは適性ですか?

見積もりが1社目では比較できませんが、各社で用意するトラックサイズがあまりに違う時には、率直に聞いてみた方が良いです。大きいトラック1台で済ますのか、小さめで往復するつもりなのか、それによっては新居に誰かにいてもらわなくてはなりません。せめてこちらの意向を聞いてから決定してほしいですね。

何人で作業する予定になっていますか?

人数が多い方が、引っ越しに掛かる時間は短く済みます。各社の見積もり額にそんなに違いがなければ、おすすめしたいところですが、社員一人と他は全員がバイトで、そのため人件費を安くしているなんてところもあるかもしれません。

ただしバイトとはいえ、研修体制がしっかりしている業者ではリピーターも多く、経験の少ない新入社員よりも頼りになることもありますので、作業の質が全てにおいて悪いとは言えませんが、不安に思うなら聞いておきましょう。

荷物量と比べて、あまりに少ない人数で計上して安くしているようなところは要注意です。時間が掛かるばかりでなく、疲労が蓄積し荷物の破損や運転中の事故など、余計なトラブルに見舞われないとも限りません。

見分け方7:運送約款を提示するか

正式な業者であれば、見積もり時に必ず「運送約款」を提示することになっています。見積書の裏面に印刷されていることが多いです。これは引っ越し業務に想定される荷主(=依頼者)と業者間のトラブルを未然に防ぐためのものです。これがあれば、万が一荷物の破損があった場合でも、補償面は安心できます。

約款を最後まで見せてもらえない時は、こちらから催促しましょう。そこでうろたえるようなら怪しいですよ!早々にお引き取り願いましょう。

見分け方8:作業員の様子はどうか

ここまでくると、既に業者を決定しているので今さら変更はできませんが、次回の参考にしたいネタが豊富にあるはずです。次回失敗しないためにも、よく観察しておきましょう。

作業員たちはどんな様子ですか?

まず、到着時に玄関先で対面での挨拶がありましたか?一気には覚えられませんが、とりあえず名乗って元気に挨拶してもらえると安心ですよね。小さい声で自信なさげだと「重い物持てる?」と心配になってしまいますから。

雰囲気から察して、お互い初対面同士のようなよそよそしさがありますか?となるとバイトの可能性があり、チームとして機能しないのであれば、ここは現場責任者が逐一指示を出さなければ動けないことになります。

年長者が多い現場責任者の人柄は?

その現場の長となる責任者の人柄で雰囲気はガラッと変わります。強面の無口な職人タイプや、ぐいぐい引っ張っていくリーダータイプ、ニコニコ優しい癒し系など様々ですが、上司を信頼している様子が見受けられればハズレはないと思います。

問題点があればすぐに現場責任者に聞いて指示を仰ぐようなことがあれば、社内の風通しが良く、向上心を持って取り組んでいるという姿勢が見えます。

丁寧をモットーとしているか?

建物の養生や家具の梱包はどうですか?新築と伝えていたのに、申し訳程度の簡素な養生だけだとガッカリですよね。これは見積もり担当から現場への連絡不備なのか、もともと養生はこの程度なのか、判別しにくいところがありますが、不十分だと思えば連絡して持って来てもらう筈なのに、そうしないということは、通常この程度だということです。

となると、荷物の扱いも丁寧に運んでくれるのかな…と不安がよぎりますね。もし破損なんてことになって、十分な補償をしてくれなかったらどうしよう、と引っ越しの最中に余計な心配までする羽目になります。

まとめ

ここまで長々と見分けるコツを説明しましたが、実をいうと、良い業者、悪い業者というのは、人により見解が異なるのではないかと思います。自分にとっての良い引っ越し、悪い引っ越しはあり得る話ですが、今どきひどい悪徳業者は、長くは存続できないのではないでしょうか。

たまたま目についた業者を選んで、他社の見積もりも取らず、業者の実態を調べようともせずに契約してしまえば、ひょっとすると悪い業者に当たってしまうかもしれません。

しかし、複数の業者から相見積もりを取り、営業担当者の話をよく聞き質問し、話し合いの上、納得のいく業者を選べば、そうそう悪い業者に当たることはないはずです。

今の時代、色々な方法で調べようと思えば、簡単に情報が手に入ります。といっても、他社の評判を落としめるためのネガティブキャンペーンとも思えるクチコミもあります。正しい情報を見分ける目も併せ持ちたいものですね。

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