遠距離引っ越しを安くする方法

引っ越し料金は遠くへ引っ越すほど高くなるとは聞いていたものの、繁忙期の家族4人の引っ越しで、出た見積もり額が50万円!?予想外のことに、頭の中は真っ白になり数秒の沈黙の後、「電卓壊れてませんか?」と言うのがやっと。これ、実際にありえる話です。

「高い」というイメージがある遠距離の引っ越しですが、自分でできる見積もり額を安く抑えるワザがあります。何の予備知識もないまま、訪問見積もりを依頼してしまっては、損をしますよ。

基本は押さえよう!

距離に関係なく、引っ越し料金を安くするコツというものがいくつかあります。まずは、基本のポイントに絞って探ってみましょう。

荷物を少なくする

トラックの大きさが引っ越し料金を左右します。単身の荷物の少ない引越しなら、1トントラックの車両費と運転手とスタッフ1人の合計2人分の人件費が基準となり、階段作業や有料オプション等の他の条件を加算して引っ越し料金を算出します。

荷物の多い家族の引っ越しではさらにトラックのサイズを大きくしなければなりません。トラックが大きくなるにつれ車両費も高くなり、スタッフの人数も増やす必要があるので人件費も加算されます。

ここでのポイントは、荷物を減らしてトラックサイズを小さくし、スタッフの人数も少なく済むようにすることです。ダンボールを2個や3個減らしたところで、トラックサイズは小さくなりません。もっと思い切った方法が必要です。

痩せたら着ようと思っていた服はリサイクルへ。前の引っ越しから一度も開けてなかったダンボールは即処分。何年も未使用のまま押入れの半分を占める客用の組布団は寝具の買取業者へ。羽毛布団は思わぬ高値がつくこともあります。

いざとなったら、布団のレンタル業者もあります。なるべく大きな物から処分していくと、荷物量の減りが目に見えて達成感がありますよ。

調子が悪くなってきた家電や、開閉のしづらい収納家具などがあれば、引っ越しは買い替えのチャンスです。

訪問見積もり時には、運ばない物をきちんと分けて「これは処分します」と言って、見積もりの荷物に換算されてしまわないようにしましょう。荷物を種類別にまとめたり、大きさ別に揃えるなど、すっきり見える工夫をすれば、荷物量を多めに見誤るのを防ぐこともできるでしょう。

空いている時期の平日の仏滅

公立の小中学校が春休みになる期間が、全国的に引っ越し業界の超繁忙期となります。事情が許すなら繁忙期から1日でもずらすと引っ越し料金はかなり安くなります。

春休みの他にも、長期休暇や連休に合わせて引っ越しをする人は多いです。安い時期をねらうなら、冬休みを除いた12月や1月です。

冬の時期は、降雪や積雪の影響で予定が立てにくいことや、玄関や窓やドアを開け放っての搬出入作業の間はとても寒く、暖房の前にいても体の一部だけしか温まらず、部屋全体が暖まることはありません。

ここで風邪でも引いてしまったら、荷解きの作業もできず、積み上げた荷物の中で不自由な思いをしながら寝ているしかありません。そのため、余程の理由でもない限り、冬の寒い時期はなかなか人は動きたがりません。そこをねらえば、通常よりも安く引っ越しができるでしょう。

さらにいえば、家族が休みで都合の良い土曜日と日曜日にかけて引っ越しをすることが多いので、空いている平日を選べば安くなります。

そして、引っ越しは新たな生活のスタートとなることで、おめでたい大切な行事とする風習があったことから、大安吉日を選ぶ人が多いです。結婚での引っ越しとなればなおさらですね。

要するに、引っ越しをする人が少ないような日を選べば、安くなる可能性が高いです。ということで、最安値の日を狙うとすれば、閑散期の平日の仏滅が最有力候補となります。

その日が無理なら、手っ取り早く、「いつなら安くなりますか」と聞いてしまいましょう。日程に余裕があれば、その提示された日が一番安く引っ越しができるはずです。

有料オプションを最低限に

余計な有料サービスを頼まない。これは当たり前のことなのですが、引っ越しの準備で忙しく、切羽詰まったギリギリになってから、オプションサービスを追加する人が実は結構いるのです。

自分で荷造りをやろうと予定していた日に急に仕事が入ってしまったので、梱包サービスだけでもお願いしたい。きれいに掃除してから退去したいが、自分では汚れを落とし切れなかったので、ホームクリーニングを頼みたい。

粗大ゴミに出そうと思っていたのが、うっかり申し込みを忘れていたので、不用品回収サービスを付けてください。荷造りを進めるうちに、こんなに不要な物が出てきて、自分では処分しきれないから回収してほしい、ということも。

くれぐれも余裕を持って計画的に準備を進め、なるべく自分でできることは済ませておきましょう。

遠距離なら大手業者が安心?

テレビCMをバンバン流す大手業者は、広告宣伝費にお金が掛かっている分、引っ越し料金も高いに違いないと思っていませんか?

実は、全国に営業所を持つ大手業者は、遠距離の引っ越しにこそ強みがあります。安さを売りにする地元の中小業者は全国を網羅する独自の輸送ルートが無い場合が多く、遠距離の引っ越しの場合は途中で他の運送業者にリレーすることになります。

積み替え作業の分、余計に費用が加算されますし、ヘタをすると引き受けてもらえないこともあります。

全国にネットワークを持つ大手業者なら荷物を搬出したスタッフたちは、運転手以外トラックに同乗する必要がありません。引っ越し先では、最寄りの営業所の別のスタッフがいるからです。

そのため出張手当も宿泊費もかからず、移動中の拘束時間もないため、依頼者にその分の人件費の上乗せがなく、安くあがるのです。

自分に合った輸送方法はどれ?

遠距離引っ越しは料金が高くなるのは仕方ないと、思われがちですが、遠距離だからこそ色々なパターンの輸送方法があり、選び方によってはかなり料金が違ってきます。

同じ方面の引っ越しをまとめたり、往復の荷台が空にならないようにしたり、数多くの引っ越しを請け負い、独自ルートを持つ大手業者だからこそできるお得な運び方があります。

チャーター便

直行便とも貸し切り便とも言われ、トラックと運転手とスタッフ数人で、一軒分の荷物だけを運ぶ引っ越しをいいます。近距離や中距離の通常の引っ越しプランは、ほとんどがこのチャーター便となります。

混載便

割り勘便とも言います。たまたま遠距離の同じ方面に引っ越す2軒のお宅の仕事を連日で受注した場合、1軒目の作業を終え、空のトラックで戻って来て、また翌日、同じ方面に荷物を移動し、また空っぽで帰ってくるという行程は何だかムダのような気がしませんか?

空っぽで帰る分の高速道路代もお客さんに払ってもらうのだから別に損をするわけではありませんが、引っ越し業者のトラックは荷物を載せて走ってナンボ。

できることなら1回に2軒分の荷物をまとめて載せて、1往復で済ませたいところです。さらに荷台にあと少しの余裕があれば、単身者の荷物も運べるかもしれません。

高速代やガソリン代、トラックの使用料金や人件費を何軒かで負担してもらえば、通常の引っ越しよりもかなり安く済みます。こうしてできたサービスが混載便というものです。

日程は必ずしも自分の希望通りにはいかないかもしれませんが、日程に余裕のある人にはかなりお得に遠距離の引っ越しができます。

帰り便

戻り便とも言われます。上でも述べたように、引っ越しトラックは荷物を載せて走ることで利益が生まれます。それを、空っぽのまま遠距離を走るのはもったいない!

ということで、ここは全国ネットワークの強みを活かし、「そっちの営業所方面の引っ越しがあるから、ついでに荷物載せて帰ってね」ということが可能になるわけです。

この際も、普通のチャーター便で引っ越しするよりも、費用が安くなります。これも、タイミングが合わないとできないので、日程に余裕のある人向きのサービスです。

コンテナ便

線路を走る貨物列車の色とりどりのコンテナが連なる様子に、どんな物を積んでどこに行くんだろう、とワクワクしたことはありませんか?その中に、引っ越しの家財も混ざっています。

鉄道会社は、換気ができたり、荷崩れ防止装置が付いたものなど、荷物を運ぶのに適した大小のコンテナを取り揃えています。

長距離の大部分を列車で輸送することにより、トラックの場合の高速道路代、ガソリン代、人件費が不要になるため、遠距離の引っ越しの中でもかなりリーズナブルに引っ越しができる方法です。同様に沖縄や離島へはフェリー便があります。

ただし、両方とも2〜3日、特にフェリー便は悪天候の場合それ以上の日数がかかることも覚悟しましょう。

多めに相見積もりを取ろう

遠距離の引っ越しだと、近隣地区への引っ越しの場合と比べて、引っ越し会社の提示する見積もり金額に相当な開きがあることに唖然としてしまいます。

実際、初回の見積もり額では10万20万違うことはざらにあるようです。そうなると、一番安い業者に決めたくなるのはごもっともなのですが、ちょっと待って!それ、全部、同じ条件でのプランになっていますか?かかる日数は?人件費は?

遠距離引っ越しの場合は、3社といわず、できるだけ多くの見積もりを取るようにしてください。とはいっても、訪問見積もりに多くの業者に来られても対応できません。

まず、インターネットの無料サイトの一括見積もりサービスなどを利用して、手っ取り早く価格相場のデータを揃えましょう。そこからさらに目ぼしい数社に絞って交渉すれば時間と手間の節約になります。

まとめ

初めての遠距離引っ越しは、中間で違う業者に任せたり、搬出と搬入のスタッフが違ったり、かかる日数が違ったり、システムの複雑さに戸惑うことが多く、よく分からないまま業者の言いなりで見積もりを出されてしまいがちです。

それでも、訪問見積もりの場で即決することはくれぐれも避けてください。最後に来た業者が一番安いからと、そこで決めてしまうのもやめましょう。

それぞれの業者が他社の出方を窺い、さらに大幅に値引きをしてくるからです。万単位でどんどん安くなっていく様子は、荷物をきちんとチェックして出した見積もり金額は一体なんだったんだ?と驚くでしょう。

高額になる遠距離引っ越しだからこそ、納得のいくまで相談して、親切に対応してくれる業者に任せたいものですね。

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