毛足の長い絨毯は高級感があってふわふわで気持ち良いですが、よく見ると髪の毛や細かいゴミが奥深くまで入り込んでいます。ペットのお気に入りの場所にもなりやすいため、犬や猫の抜け毛が多くなる換毛期は特に大変で、しつこく絡みついた毛は掃除機ではなかなか取れません。
でも、このまま放っておいてダニの住みかになってしまっては大変!そこで、効果的な絨毯の掃除の仕方や染み抜き方法を紹介します。
掃除機の正しいかけ方
毛足の長い絨毯に掃除機をかける時は、フローリングを掃除する時とは要領が違います。掃除機のパワーを強にして、ゆっくりと時間をかけて丁寧に行いましょう。
毛並みに逆らって、ゆっくりと
毛足がある絨毯は、毛の流れに逆らって掃除機をかけましょう。毛を起こして根元部分まで掃除機のパワーが届くので、細かなゴミくずを吸い取ることができます。
できるだけゆっくりと、掃除機のヘッドをじわじわ動かすのがコツです。特に毛足が長くて密度の高い絨毯なら、クロスするように十字方向にもかけるとより確実で安心です。
毛足が長い絨毯はブラシをかけて
毛足が長くてふわふわした絨毯は、毛の流れが分かりにくいことがあります。あらゆる方向から掃除機を動かすのも良いですが、その前にひと手間かけると掃除機をかける作業がグーンとラクになります。
それは、ブラシなどを使って、毛の奥に潜んだゴミや毛をかき出して浮かせておくことです。そうすることで、根元のゴミや長い毛が重なり合って見逃していたゴミも、吸い取りやすくなります。どんなものを使った方法があるか、次で見ていきましょう。
絡んだ髪の毛やペットの毛は
絨毯の表面に落ちているゴミや毛は掃除機で吸い取ることもできますが、複雑に絡み合った長い毛は、掃除機のパワーを強にしてもなかなか取ることができません。
意地になってその一本の毛のためにずっと掃除機を強のまま使い続けても、モーターを傷めてしまう可能性もあります。こんな時には、実は人力が一番!絡んだ毛を解決する5つの方法を紹介します。
方法1. ナイロンたわし・歯ブラシ
台所で使うナイロンたわしや使い古しの歯ブラシで、毛足に逆らってブラッシングします。毛足の短い絨毯なら色が濃くなるので分かりやすいです。
そうすると、たわしや歯ブラシに毛が絡みついたり、ゴミが表面に上がってきたりします。ダニやホコリなどのアレルギーがある人は、必ずマスクをして行いましょう。
方法2. ペット専用ブラシ
ペットの抜け毛を取る時に使うブラシでも良いですし、シリコン素材の突起のついたものでも大丈夫です。毛を立たせるようにして、毛の流れに逆らって奥のゴミをかき出しましょう。
ただ、絨毯の素材によっては引っかかってスムーズに動かせない場合もあります。そうした場合は絨毯の毛を傷める原因になるので、毛並みに沿って優しくなでましょう。
また、ペット専用ブラシに似たようなものとして、人に使うプラスチック製のシャンプーブラシなども使えます。指で挟み込んで固定できるので、持ちやすく使いやすいです。100円ショップでも手に入れることができます。
方法3. ゴム手袋・滑り止めつき軍手
炊事用や掃除用のゴム手袋を手にはめて、クルクルと円を描くように絨毯をなでるだけで、ゴミが丸まって出てきます。滑り止めのゴムの突起がついた軍手でも大丈夫です。もちろん毛足の長い絨毯にも使えます。絨毯の素材を傷めることなく、優しくゴミを集められるでしょう。
また、騒音対策でパンチカーペットを敷き詰めた階段の掃除にも効果的です。階段の縦の面も横の面も自由自在で、隅は指を使えるので万能です。ゴム手袋は手にフィットしたものを選ぶと作業がラクです。そして二の腕のシェイプアップにもなるという、うれしい効果もあります。
方法4.デッキブラシ
もっと手っ取り早くラクな方法がいいという人には、デッキブラシが活用できます。ゴシゴシこするのではなく、力を抜いて手前にサッと引くように動かすと、毛や糸くずが絡みついて取れてきます。広範囲を手早く済ませられます。
ただ、デッキブラシはコシが強いので、強い力でこすってしまうと絨毯の風合いを損ないかねません。お気に入りの高価な絨毯にはあまりおすすめできません。
方法5.専用掃除機
掃除する場所が広過ぎたり、ペットを多く飼っていたりする場合は、人力では難しいこともあります。そんな時はペット専用クリーナーの購入を検討しましょう。
掃除機のヘッドに強力モーターがついたもの、超吸引毛取りヘッドや毛取りノズルなど、ペットの毛を取ることに特化した製品がいろいろと販売されています。微細なものから大きなものまで、ゴミも一緒に掃除することができます。
絨毯の汚れ・染みの落とし方
丸洗いできない絨毯は、汚した時に素早く処理することが大事です。絨毯の汚れはたいてい水性や油性がほとんどですが、外遊びをしてきた子どものズボンの折り返し部分やポケットから、ドロや砂が落ちることもあります。
それぞれの汚れに応じた染み抜きの方法をマスターしましょう。
コーヒーやジュースなどの水性の汚れ
絨毯の奥深くにしみ込む前に、まずティッシュペーパーやキッチンペーパー、吸水性の良い布などで叩かずに吸い取ります。汚れを広げないように、周りから中心に向かって拭き取るのがコツです。
あらかた水分を吸い取ったら、食器用洗剤か衣料用洗剤を薄めた洗剤液につけたタオルや布を固く絞り、外側から中心に向かって叩きます。叩く面を徐々に変えて汚れた色がつかなくなったら、水で絞った布で洗剤の成分が残らないように拭き取ります。
ドレッシングやインクなどの油性の汚れ
マヨネーズやバターなどの固形物は、こすらずにすくい上げるように取り除いた後、キッチンペーパーや化粧品のあぶらとり紙で油分を吸い取ります。
その後、ベンジンを浸したタオルで油染みの周りから中心に向かって叩き拭きします。目立たない隅などで色落ちしないか試してから行いましょう。ベンジンはさまざまな時に応用できるので、用意しておくと便利です。
次に水性の汚れの掃除と同じように、洗剤液につけて絞ったタオルで汚れ部分の外側から中心に向かって叩きながら拭き取ります。そして、きれいな水ですすいだタオルを軽く絞って、やや水分が残った状態で洗剤成分を拭き取ります。その後、固く絞ったタオルで仕上げ拭きします。
水分が絨毯の下まで染みている時は持ち上げて拭き、ドライヤーの冷風を当てて乾かしましょう。持ち上げられない場所は上から乾かしたり、素材を傷めないようにアイロンを低温で当てたりして完全に乾かしましょう。カビが発生する原因になります。
ドロ汚れ
雨で汚れた靴下のまま上がったり、散歩から帰ったペットがそのまま入ってしまったりなど、絨毯がドロで汚れることも意外とあるものです。乾いているドロは掃除機で吸い取れば良いですが、ドロ水汚れは放っておくとだんだん茶色く染まります。
まず吸水性の良いティッシュペーパーやキッチンペーパーで、水分を十分吸い取ります。そして絨毯の素材を傷めないようにドライヤーの冷風で乾燥させ、完全に乾いたらブラシやたわしなどでドロをかき出すようにほぐして、掃除機で吸い取ります。
染みになってしまった場合は、水性の汚れの場合と同様に処理します。
原因が分からない汚れ
時間が経って、何の染みか原因が分からない場合があります。そんな時は、白っぽいタオルを水で濡らして固めに絞り、指にタオルを巻きつけて汚れた部分の外側から中心に向かってスッとなぞってみます。
タオルに汚れがつけば水性の汚れ、タオルが汚れず染み部分にも変化がなければ油性の汚れと判断がつきます。後は、それぞれの処理を行いましょう。
絨毯に限りませんが、汚れはすぐに処理することが基本です。水洗いができる絨毯なら、大型洗濯機やお風呂の浴槽で洗うこともできますが、大きなサイズの毛足の長い絨毯は、濡れた状態ではかなり重く、乾かすにも相当の時間を要します。
畳んで洗った時の折り目がキツくつき、床に敷いた時に浮き上がってしまってつまずく原因になることもあります。
引っ越した先で気持ち良く絨毯を使うためにも、高価な絨毯は専門業者へクリーニングを頼んだ方が何かと安心です。必要に応じて撥水防汚加工を施すのも良いですね。