結婚で引っ越すことになった場合の注意点

結婚が決まると結婚式の準備や新居の物件探しや引っ越しの計画など、慣れないことが一度に襲ってきます。幸せなはずなのに男女問わずマリッジブルーに陥りやすいのがこの時期です。

しかし、引っ越しは結婚式や披露宴の数々の決め事とは違って、作業は業者に頼むのですから、気分的には随分ラクなはずです。あらかじめ要領が分かっていれば業者とのやり取りもスムーズに進められますよ。どんなことに注意したらよいのか見てみましょう。

訪問見積もりの前にこれだけは済ませたい

時期によっては、引っ越しをしたくても予約が取れないこともあり、結婚式はしたのにしばらく別居のまま、なんて事態もありえます。

まずは、引っ越し業者のトラックを確保するために見積もりを取りたいところですが、下見に来てもらう前に、まずは二人で決めてほしいことがあります。

二人の荷物をリストアップ

それまでお互いがどんな暮らしをしていたかで状況は変わってきます。どちらかが一人暮らしをしていた、もしくは、二人とも一人暮らしをしていた場合は、足りない家具や家電を買い足し、余分な物を処分しなければいけません。

お互いの家を行き来していて家財は分かっているつもりでも、実際どんなものがあって何が不要かを一覧表に書き出して、早いうちに決める必要があります。

そうでないと、引っ越し業者の営業担当者に荷物量の下見に来てもらった時に、正確な荷物量の計算ができず、正しい見積もり額も出してもらえません。

どちらを使うか決める

リストアップして見比べてみて、どちらのものを使い続けるのか決めましょう。新居が広ければ、テレビを2台置いても、コタツを2台並べても構わないのですが、洗濯機や冷蔵庫は2台はいりませんよね。

電子レンジや炊飯器、掃除機なども価格の高いほうではなく、使いやすいほうを選ぶといいです。

購入する物を決める

長い目で見ると、一人用の家電や家具はそのうち買い替えることになります。一人用の炊飯器はご飯を少ししか炊けません。洗濯機も容量の小さいもので何回も洗うのでは水と電気と時間の無駄になります。

そして、独身の頃は外食が多かったかもしれませんが、これからは二人分の食事を作ることになり、食材も多めに買い置きするとなれば、小さい冷蔵庫では心もとないでしょう。

処分する物を決める

どちらかの物を使い続ける場合は早めに決め、不要品の処分の手続きを進めましょう。そして、訪問見積もりの際には「これは処分するので運びません」とはっきり伝えて、引っ越し荷物の中から除外してもらいます。

とりあえず処分は転居してからでも…と何でもかんでも運んでしまうと、トラックサイズも大きくなり、作業スタッフも増員しなければならないので、引っ越し料金が高くなってしまいますよ。

引っ越しのルートとプランは?

さて、荷物の取捨選択が決まったら、次の段階へ進みましょう。引っ越し料金は、移動距離、荷物の量、人件費でおおよその料金が決まります。

ということは、二人分の引っ越しなら、通常の2倍の料金がかかってしまうのでしょうか。少しでも安く引っ越しするためにどうすべきか、何に注意したらよいのか、見てみましょう。

トラック1台で2カ所から積み込み新居に

現在二人が住んでいるところから、引っ越し先はどの程度離れていますか?

新居からお互いの家が遠くの逆方向でなく、どちらかの家に立ち寄って新居に向かえるルートなら、別々の引っ越し業者に頼むのではなく、同じ業者の1台のトラックで済ませた方が、引っ越し料金は断然安くなります。

お互い単身パックで安価に

二人が実家暮らしで、新居で新しく生活家電や家具を揃えることになるので、引っ越しは身の回りの物を運ぶだけということなら、単身パックも考えられます。

小物を自分たちで運んで、大きな物だけをお願いするとか、工夫次第で安く引っ越しができます。

遠ければ別々の業者でも

今まで遠距離恋愛で、お互いの家が新居を挟んで真反対の方向にあるような場合は、別々の引っ越しになります。お互いの家の近くに同じ業者の営業所があれば、二人で同じ会社を使うことで多少の割り引きが受けられることも多いです。見積もりを取った上で決めましょう。

最悪なのは2つの業者のバッティング

別々に引っ越しをすることになり、お互いがそれぞれ違う引っ越し業者に依頼してそれぞれの話を進めるなら、気をつけてほしいことがあります。

引っ越し日時は必ず分ける

玄関前の道路はトラックが同時に2台駐車でき、他の車が余裕を持って通れるスペースがありますか?

午前と午後に、一社ずつきっちりと分けて作業ができればいいですが、別々の業者が同時に作業をすることほどやりにくいことはありません。玄関からトラックが遠い方の業者は割に合いません。

荷物を持ったまま通路が空くまで待ったり、お互いに時間のロスが発生することになってしまいます。これはみんなが気まずい思いをするので避けましょう。

大きな物を先に運んだ方が好都合

ピアノやベッド、婚礼家具などの大きな物は、どちらが持ってきますか?搬入経路を広く確保したほうがスムーズに搬入でるので、できれば何もないうちに先に引っ越しをした方が所要時間もかからずにラクに作業できるでしょう。

また、先に大物を入れてしまった方が、あとの家具のレイアウトが決まりやすいです。

連日で続けて入居したいけど

今まで遠距離恋愛だったので一日も早く一緒に住みたいから、その日と次の日で引っ越しをするつもり。その気持ちはよーく分かるのですが、前の日に終わった引っ越しの荷物はすぐ片付きそうですか?室内や廊下にダンボールが散乱していたりということはありませんか?

先の引っ越しがあらかた片付いた状況でないと、次の引っ越し作業がスムーズに運びません。会社の休日や手伝いの手配など、余裕をみて予定を立てた方が安心です。

気をつけたいこと番外編

二人の引っ越し料金を少しでも節約したい、長い目で見てトータルで安くしたいと思うなら、次のことに気をつけてみましょう。

転勤の可能性があるなら

支店や営業所が各地にある会社に勤めている人は、今後、転勤の可能性もあります。子どもがいないうちは、短期で異動になるケースも案外多いものです。

その時に備えて、家具や家電はあまり大きくない物を選んだ方が、どんな間取りでも汎用性が高く、引っ越し料金が高額にならずに済みます。会社が不景気の時の転勤は、引っ越し代も会社の全額負担とはならない場合もありえます。

クレーン搬入など特殊作業料が必要になる心配のあるような三人掛けのソファや、大きなベッドマットは注意が必要です。

婚礼家具の必要性

築年数の浅い住宅の収納スペースは、和室には押入れがつきますが、洋室にはクローゼットが多いです。2部屋から出入りできるような大きなウォークインクローゼットもあります。

大小さまざまな物を自分の好きなように配置して収納できるので、タンスより使い勝手がよく、タンスのように倒れる心配もなく圧迫感もないので、地震などの災害時でも安心です。

そのためか、昔ほど婚礼家具セットは必要のない物になっています。引っ越しの際にも、どこに置くか、どうやって入れるかを常に考える必要があるでしょう。

その家に長く住むことになるか

転勤がなくても、家族が増えたり、ペットを飼ったりすると、新婚の時に借りた家には長く住まずに、そのうち引っ越しをすることになるかもしれません。

階段作業が大変な重い物や、エレベーターに載らないような大き過ぎるベッドマットなどは、その都度、特殊作業料を払って移動することになります。

家電買い替えのタイミングを考える

今は次々と節電効果の高いエコ仕様の家電製品が出ていて、年間の電気代も古いタイプものと比べるとかなり安くなっています。エアコンや冷蔵庫ではその違いが明らかです。

そのうち赤ちゃんが産まれたりすると、奥さんはしばらく働けず無収入となる上に、出産と育児にもお金がかかります。

その時に一気に買い替え費用が捻出できるとも限りません。一人用の家電から家族用に買い替えるなら今がチャンスかもしれませんよ。

結婚の引っ越しを機に、新しい家電で気持ちよく新婚生活をスタートするのもいいのではないでしょうか。二人分の処分する家電を減らせば、引っ越し料金も安くなり、購入代金の足しになります。

お日柄は気にすべき?

大安の日は、引っ越し代が通常より割高になります。結婚というお祝い事なので引っ越しも縁起のいい日にしたい、と思う人もいるでしょう。本人たちがそう思わなくても、両家の親が気にするかもしれません。

時として、地方の風習に従わなければならない家柄のこともあります。先に両家の意向を聞いてから決めたほうがスムーズに運びますし、信用も得られますよ。

まとめ

結婚は人生の一大イベントです。これは誰もが認めることであり、結婚に向かって親や親せき、知人や友人、式場関係者、不動産業者、旅行会社、引っ越し業者など大勢を巻き込み、準備段階から相当なエネルギーを費やすことになります。

生活の基盤になる家は人任せにするわけにもいきませんので、忙しい時ではありますが、引っ越しについては、落ち着いて、共同作業で行いたいものです。

どんなプランがあるのかは、インターネット上の引っ越し業者のホームページで見ることができます。見積もり金額を見たければ、一括見積もりサイトで大体の相場を知ることができます。