引っ越しがやっと終わり業者のトラックを見送りホッとしたのもつかの間、ピンポンというチャイムの音とともに、まさかの町内会長がじきじきに自治会の勧誘に!?
これ、勧められるまま入会しちゃっていいのでしょうか?
自治会や町内会って何のためにあるの?
自治会や町内会というのは、その地域に住む住民がお互いに助け合い、安心して楽しく暮らすことのできる環境を整えるために設立されたものです。
誰がどんな活動をしているの?
自治会や町内会では、その地域に住み、会の活動に賛同し、会費を払った会員が、地域主催のお祭りや地域の防犯活動、一人暮らしの高齢者宅の見回りなど、やれることをやれるときにそれぞれがしています。
会長と副会長、町丁目ごとに代表者と副代表、書記や会計、監査役などの役員がいて、さらに細かくブロックごとの何件かの中で、班長が持ち回りの当番制になっていることが多いです。
祭り実行委員会、防犯委員会、広報委員会、美化委員会などの分科会や全体会でそれぞれの活動報告をしたり意見交換をしたりしています。
加入者が参加する夏祭りや運動会、避難訓練や清掃活動、敬老会やウォーキング大会、子ども向けには、もちつき会や焼きいも会など、地域ごとに交流し親睦を深めるためのイベントが催されます。
引っ越したら入らなきゃいけないもの?
引っ越した途端どこで聞き及んだのか、役員や班長が勧誘に訪れます。どこの地区も高齢化が進んでいるため自治会の後継者不足を危惧し、若い人たちの加入率を上げることに躍起となっています。
地区のゴミ置き場は自治体が設置している場合が多く、本来ならば自治会に加入している人以外はその場所にゴミを置くことが許されない場合もあります。しかし、たいていは未加入者がゴミ出しするのを黙認しているケースが多いでしょう。
会費は、月額100円や200円を半年ごとに徴収したり、1年間をまとめて1万円程度払う地区もあったりとバラつきがあります。
ただ、自治会主催の清掃活動に参加するとペットボトル飲料が配られたり、運動会ではお弁当が出たり、夏祭りではハズレのないくじ引きがあったり、それなりに還元してもらえます。
会はあくまでも本人の意思による任意加入なので、強制したり、加入しないことを理由に脅したり、仲間外れにしてはいけないことになっています。
入会することによるメリットとデメリットは?
自治会に入ることによって主催するお祭りやもちつき大会、花見などの季節のイベントに参加できたり、地域連合の運動会や避難訓練、防犯パトロールや清掃活動で近所の人たちと交流を図ることができるのが最大のメリットと言えるでしょう。
単なる顔見知りで挨拶ぐらいしかかわしたことがない人でも、そういう集まりがあれば会話もかわしやすくなります。
また、家族みんなで参加するイベントなどでは、同じような家族構成の世帯が集まるため、親しくお付き合いができるようになったり、一緒に班長や役員を引き受けることで急速に親しくなる場合があります。
さらに、近所の人と顔を合わせる機会が多いと、どこそこの○○ちゃん、と子どもの顔と名前を覚えてもらえます。これは、親としてとても安心でしょう。
子どもが遊びに出かけてなかなか帰ってこないので様子を見に行こうとすると、「公園で○○くんと遊んでいたよ」と教えてくれたり、子どもに「暗くなったからママが心配しているからそろそろ帰りなさい」なんて声を掛けたりしてくれることもあります。
我が家の子どもだと分かってくれていて、見守ってくれるのは本当にありがたいです。
デメリットは、やはり役員の任務の負担が大きいことでしょう。会費が惜しいのではなく、任務を果たして自分が全うできるのか心配で加入しない人もいます。会議にしても、毎回強制参加という訳ではありませんが、時には仕事や家事を犠牲にしなければならないこともあります。
イベントはだいたい土曜や日曜日など、世間一般の休日に催されることが多いので、仕事の休みが平日の人は、なかなか参加する機会がないかもしれません。
入会しないメリットとデメリットは?
入会しないことでのメリットと言えば、役員をやらされる心配がないということと、会費の節約と変なしがらみや派閥などとは無縁の世界で過ごせるということでしょうか。
地区の清掃活動に参加しなくても、別に文句を言われることはありません。世代の違う集団と話を合わせる必要もなく、気楽です。
逆にデメリットは、地域の回覧板が回ってこないので、地域のいろいろな情報が入手できないことでしょう。回覧板は、ゴミ出しのマナーや地域の交番が発行する防犯情報などが載っています。
近所で空き巣被害や車上荒らしがあったので気をつけようという内容のものが回ってきたときでも、自分はその事実を知り得ないということがあります。
加入は任意、あくまでも自分の判断で!
自分は転勤族だし、そういう集まりが苦手でどうしても尻込みしてしまう、いずれ引っ越して出ていく身なので積極的に交流を深めようとは思っていない、など入りたくない理由は様々あると思います。
どうしても気が進まなければ、無理して加入する必要はありません。どうせすぐに引っ越しをするのだからと、幽霊会員のつもりで気前よく会費を払って入ってしまったところが、なかなか転勤の順番が回って来ずに班長を引き受ける場合もあります。
しかし、住む地域の自治会が若い世帯が多く加入しているようなら、入会してみてもいいのではないかと思います。子どもが小さい若い世帯が多く加入する自治会なら、子どもたちのためのイベントが数多く催されます。
そんなときに、未加入だからと子どもたちが多く集まる場所に、自分の子どもに行ってはいけない、と言うことはなかなか難しいのではないでしょうか。
若い世帯が数多く加入している自治会は、活気のある町づくりができていて、住みやすい環境であることが窺えます。また、そういう地域はまちの美化活動にも力を入れており、防犯面も強化するなどして自分たちの町を住みやすくする工夫が積極的に行われています。
ただし、単身者の若い一人暮らしの学生や、家には寝に帰るだけという忙しいサラリーマンは、無理に加入しなくてもよいかもしれません。自分と地域との関わり方を考え、検討してください。
一人暮らしでも寂しくて町に馴染みたいと思っているなら、班長を引き受けるのはどうしても無理だが、できれば加入したいという希望を伝えれば、事情を考慮して加入を認められる場合が多いでしょう。
まとめ
会員数が多く、住民が積極的にイベントに参加しているような結束力と活気のある自治会なら、加入して損はないと思います。短期間の賃貸の単身者でも、お祭りで盛り上がりたかったり、太鼓を叩いたりしたければ、ぜひ加入してみましょう。元気な若者は歓迎されますよ。